AI時代にBIは不要?─いえ、より役割が進化します。
ChatGPTなど生成AIの登場によって、よく聞く質問です。「AIがあればBIは不要では?」。しかし、結論から言えば、BIが不要にはなりません。寧ろAI時代において次の点では重要性が増します。無理にBIを擁護する意図はありませんが、現実的に結構大切だと感じます。しかし、位置づけは若干変わり、”確認と定点観測の装置”としての重要性が増すと考えられます。
かつては「情報探索=BIの仕事」でした。BI(Business Intelligence)は長らく「データを探索し、気づきを得る」ための代表的なツールでした。売上データを地域や担当別に切り分ける、利益率の悪化要因をセグメント分析で探す、KPIをダッシュボードで追跡する、など…
こうした「データの探索作業」は、経営者が意思決定する上で欠かせないものであり、BIがその役割を担ってきました。
しかし、AIの登場で情報探索は圧倒的に、AIが占有しました。特に速度面と網羅性の点でAI優位です。BIが数値を扱うのみだったことに対し、AIは数値だけでなく、テキスト・音声・画像など多様なデータを扱えるため、探索の幅やスピードが格段に広がりました。自然言語でクエリーするBIツールも一部ありますがメジャーではありません。
AIが圧倒的に優位になった利点は、例えば、
商談メモや議事録を要約し、顧客が本当に悩んでいる点を抽出する
社内ナレッジと外部記事を照合し、競合に勝つ提案を自動生成する
膨大なデータを自然言語で「尋ねるだけ」で探索できる
などがあげられます。故にかつてはBIの専売特許だった「探索」は、AIによってより網羅的かつ圧倒的な速度に、レベルアップしました。では、不要?それでもBIが必要とされる理由は? その理由は主に2つあります。
(1) AIの「ハルシネーション問題」
生成AIは柔軟な解釈ができる反面、事実に基づかない“もっともらしい答え”(ハルシネーション)を提示するリスクが残ります。
意思決定において「数字の正確さ」が求められる場面では、この不確実性は大きなリスクとなり得ます。
(2) BIの「定点観測機能」
BIはシステムと直結し、不動の正確性として『数値』で正確に集計・可視化する仕組みが提供されます。
これにより、月次の売上推移、利益率の変動、在庫の過不足など、『比較』を確実に目視することが出来ます。こちらはAIと異なり裏トリが不要です。
この点は、現状ではAIよりもBIが信頼できる領域といえます。また、AIは自ら求めて情報を取りに行く必要があるため、BIのように、自分が(または誰かが)情報配信を設定して、「情報が届く」という状態を作るためにも、BIは重要です。AI情報による判断でも、すぐに訂正が効くものは、二転三転で走ってもよいですが、重要な情報は、整理の上でBIよる定点観測が無難です。
2.AIとBIの新しい役割分担
整理すると、AIとBIの役割は次のように変化してきています。
AI = 探索の相棒
データを横断的に調べ、仮説や洞察を提示
テキストや音声も含めた「柔らかい情報探索」が得意
BI = 確認の装置・受信の装置
正確な数値を公式に可視化定点観測で、経営の“体温計”のような機能です。BIは依然として「無いと圧倒的に困る」事はないポジショニングを相変わらず突き進んでいますが、堅実なリスクマネジメントをおこなう社長にとっては、無いと不安になるはずである重要な数字の万人の役割です。
👉 これからの標準は、『AIで気づきを得て → BIで数字を確認する』 というプロセスになります。
まとめると、AI時代のBIは「守りの砦」です。そのうち、BIは、AIが必要と考える時に照会されるように収斂されるかもしれませんが、いまだ使い分けがよい状況です。何なら今でも、指示をすれば、AI経由でSQLをつくり確実なレポートをAIのUI内で見せてくれますが、考えておかなければいけない点で、まだ100点ではありません。
一方で、AIは探索の幅を大きく広げ、経営者の思考を助ける強力な手段になりました。正確な数値の把握や継続的なモニタリングとして、BIが得意とするところと対照的ですが、これからの時代は「AIとBIのどちらか」ではなく、「AIとBIをどう組み合わせるか」が経営の成果を左右していく事が、おそらく間違いありません。AIを使ってない方が、未だもしいれば結構危険です。見ない、知らない、試さないは、死活問題になるかもしれませんから今すぐ始めてみてください。必要であればサポートします。
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